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作者 原作 ゴーストハント
ジャンル シリアス,会話
カップリング ナル-麻衣
掲載 2007/04/03(Tue.) 更新 2007/04/07(Sat.)
別れる理由
「It's best for us to be part, darling」

彼は私にそういうと、後ろを振り向き去っていく。

ガシッ

私は、彼の腕をつかむ。

「・・・は?なんでよ?」

彼は振り向きもせずにこういった。

「Because if I were with you, you would be unhappy.」

「こらっ。勝手に人の将来、決めるんじゃないやいっ。」

「・・・別に、決めたことじゃない。事実だ。」

「何を根拠に言ってるのさ。」

「今の状態を、だ。」


彼は私の方に背を向ける。私は、彼の腕からさっと手を離す。

「は?・・・別に私は不幸じゃないけど?むしろ幸せだし。」

「・・・本当にそう思ってるのか?」

「そうだけど?」

「それならそれは偽りだ。」

「・・・本気で言ってるんだけど!!」

私はやけになって言う。

彼は、ふっと微笑する。やや暗い表情で。
そして私と目線を合わせじっと見つめてきた。

「はっきり言おう、麻衣、僕たちは釣り合わない。」

「なっっ!いきなり別れるって言った理由がそれっ!?
そりゃ、あたしみたいなのなんかはナルに釣り合うなんて思ってないけどっ・・・」

私は彼の目をキッと睨む。そして表情を元に戻して言う。

「なんか、ナルに悪いことした?」

「いいや。」

「それじゃあなんで?」

「僕が麻衣の将来に弊害を及ぼすから、とでも言おうか。」

「どうして、そんなことわかるのよ?プレゴグニションでもしたわけ?」

「男というものは、そういうものらしいので。」

「・・・理由になってない。」

「ちゃんとした理由だと思うが?」

「私の方が今迷惑かけてるのに?」

「僕は、その迷惑は迷惑と思ってないし。寧ろどんな時でも麻衣と共に在れれば良い。」


「・・・あの〜。だんだん何話してるんだかわかんなくなってきたんですけど・・・。」

「そうだな。」

彼はすくっと立ち上がると私を見下ろす。

「・・・で、率直に言うと私のことが嫌いになったと?邪魔になったから、別れようって事?」

「違う。」

「ならどうして?」

「これから時が流れると、きっと僕はともかく麻衣も違う人を好きになるだろうから、、
今 ここで別れようという事。。」

「・・・それでいいの?」

「・・・。」

「それでナルは納得してるの?本当にこれで後悔しない?」



「・・・もう、いいだろう?」

「な、なにがよ・・・・・・?」

「僕たちは、今まで幸せだった。これからは違う幸せを別々に見つければ良い。」


彼は、綺麗な作り笑顔でこういった。

「あたしは・・・」

言葉が詰まる。私は彼を見ることが出来ないでいた。


「明日からは他人同士。単なる上司と部下。これでいいだろう。」

「・・・。」


・・・ばか。人の気も知らないで、パコパコ決めちゃって・・・。
私はだんだんと目が潤んできた。


「・・・麻衣?」

彼が私の顔を覗いてくる。


「・・・ばか。」

私は彼の顔を必死に見ようとする。そして睨みつける。
彼は困っているのか表情が少し崩れていたのがちょっとだけ見えた。





すると、彼は立ち上がってギュッと私を抱きしめた。

「・・・まだ『今日』だから、許せ。」

「・・・・・・。」






次の日から私と彼の関係は『単なる上司と部下』と変わった。
最初に戻っただけ、とも言う。


もう、親しく話すことはなくなった。

私はあのとき彼が何を考えているのか分からなかった。
わかろうとしなかった。

でも、彼がそういうなら・・・そうなのかもしれない。

そう。幸せのまま別れた方がいいと思ったのだろう。
そうであってほしい。

もういつ話が出来るかわからないけど、
私は『いい思い出』だけをもって今に至ることを幸せと思いたい。





あとがき
・・・なんでこんなの書いちゃったんでしょうか。(聞くな)
こんなの絶対ありえないと思うんですけど、麻衣がこんなに大人しいとかありえないですし、ナルが自ら麻衣を手放すなんて思わないですしね。(なら書くなよ)
でも、なんでか、ふとこんなシーンを思いついてしまったので書いてしまいました。
気が向けばこれの続きを書くかもしれません。
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