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作者 Tommy6 原作 涼宮ハルヒの憂鬱
ジャンル 日常,非日常
カップリング -
掲載 2007/10/21(Sun.) 更新 -
ベタっちゃあベタ [後編]




「ほら、もっとしゃきっとしなさいよ!そんなんじゃ私の代役なんて務まらないわよ?!」






二人揃って俺の家へ行く―――――――――――という、何の事情も把握していない第三者に知られれば十中八九あらぬ誤解をされてしまいそうな決定をした帰り道――――――――――――








ハルヒ(の姿をした俺)が自宅に戻らず他所の家に泊まるとなれば、さすがに親御さんへの連絡ぐらい必要であろう。

ハルヒ曰く「うーん・・・・・・・・大丈夫だと思うわよ?キョンだし。」とのことだが、その言葉のどこをどう取れば大丈夫だと言えるのか?そんな根拠ゼロの保証をされても不安は増大するばかりなのだが。





と、俺が躊躇していたところでただ無常に時間が過ぎ去るばかりなので、「自宅」と表示され後は発信ボタンを押すだけの状態でハルヒが俺に突きつけていた携帯電話を取る。



いやしかし、本当に俺が電話するのか?

「他に誰がいるって言うのよ?大丈夫よ、用件だけで済ませて早めに切れば不自然には思われないだろうし、万が一思われたとしても声は私であることに変わりないんだから深く追求してこないわよ。」

だが・・・・・・・

「うじうじうるさいわねえ。いいから!もう時間遅いんだし、さっさと終わらせるわよ!」



ということで、心の準備をする時間はナノ秒たりとも俺には与えられないようである。俺の握る携帯の発信ボタンをハルヒが押したため、めでたくハルヒ宅へのコールがスタートしたからな。






『はい、涼宮です。』

「母さん?・・・私だけど。」

『ハルヒ?どうかしたの?』

「うん・・・・・・・・今日ね・・・・・・・・・・・友達の家に泊まることになったのよ。」

『そうなの?どちら様の家?長門さん?それとも朝比奈さん?』

「・・えーっと・・・・・・・キョンの家なんだけど・・・・・・。」

『本当に?そう・・・・・・・・・。』



沈黙―――――――――――当然と言えば当然だが、すぐに反対の声が上がらないのはどういうことだろうか?



『そうね・・・・・・・・・・・・、キョン君なら別にいいわよね。わかったわ、頑張ってきなさい!』


はい?!えーっと・・・・・・・・・何故そうなるのでしょうか?


呆気にとられて見つめた携帯のディスプレイは、ご丁寧に通話終了と通話に浪費した時間を知らせている。


「どうだったの?」

・・・・・・・・・・・・・許可された・・・・・・・・・・・らしい。

「ふふん、やっぱり私の言った通りだったじゃない。これで第一関門突破ね!ま、そんな大げさに騒ぐほどのことじゃなかったから、当たり前と言えば当たり前だけどね。」

いくら顔見知りとはいえ、曲がりなりにも高校生である自分の娘が男の家に泊まるというのは十二分に一大事だと思うんだが。

「うちの親がいいって言ってるんだからいいでしょ?」

それはそうなんだが・・・・・・・・・・・・




















































「「あー、酷い目に遭った。」」



さすがに、二人揃って帰宅した上ハルヒが泊まると言い出したときには驚いていた我が母親であったが、10秒と考えずにあっさりと承諾、妹共々大歓迎の様子だった。



してまあ、そこからが大変。



とにかく、質問に次ぐ質問。それも現在の俺たちでは非常に答えに窮するようなものばかり。


例えば、


「ハルヒちゃんは、うちのキョンのことどう思ってるの?」



・・・・・・・・・・・・無理だ、答えられん。

その問いに対する答えを持ち合わせているのは、現在俺の隣で一緒に小さくなっている人間であり、ハルヒであってハルヒではない俺が語るべきことではない。だが、良い友達ですみたいな当たり障りの無い答えをするのも、一応付き合っている者同士の片割れとしては気の進まないところで、詰まるところジレンマなのである。



そんな母親の詮索からなんとか逃げ出して俺の部屋へと辿り着き現在に至る。



「自分についての質問が自分に向けられていないのって歯痒いことこの上ないわね。声を大にして明言したいことだってあったのに。」

その明言したいこととやらが嵐の原因となるようにしか感じられないから不思議なものだ。


「それにしても、お風呂ぐらい入りたいものね。」

それは俺もそうだが、これで風呂入るのはいささか以上に危険な気がしてならないのだが。

「たしかにそうだけど、いつ終わるかも分からないからずっと入らないってわけにもいかないでしょ。」

じゃあ入るか?俺はお前の体で、お前は俺の体で入るのに本当に納得できるならな。

「う・・・・・・・・、まあ、キョンになら別にかまわないけどこんな形でなんてあまりにも不本意だしそれに・・・・・・・・・・」

ま、今日はこのままおとなしく寝てしまうのが一番だな。まあ・・・・・・何故か一緒に寝ることになった・・・・・・・・・・・ってのもあれだが。

「母さんったら、一体なに考えてるのかしら?」




それは俺の台詞だ。

食事中に電話がかかってきたのだが、どうやらの相手はハルヒの母親だったらしい。一体全体どんな話をしたのか、電話を終えて戻ってきた我が母の第一声が「ハルヒちゃん、キョンと一緒に寝る?」だったからな。

確かにありがたい提案ではあるが、年頃の男女が同室になることを容認するどころか勧め出すとは、モラルハザードもいいところである。

「元の状態だったら大騒ぎしてるところだろうけどね。ま、あんただったらそれでも別にいいけど?」

なんだ?その試すような視線は?俺だって一介の男子高校生だ、あんまり挑発的な態度とってると後で後悔するぞ?

「あんたにそんな度胸があるとは思えないけど、せいぜい頑張ることね。期待しないで待ってるわ。」











































「いつか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・きっと・・・・・・・・・・・・・」











































散々くっちゃべって寝る直前、ともすれば呼吸音より小さそうな声でハルヒがポツリと言い放った台詞は聞こえなかったことにしておく。











































翌日――――――――――――




「う・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・?・・・・?・・・?!・・!!?・!!!!!」



ゴンッ



朝になってみると何故か元に戻っていたうえ、これまた何故か抱き合う形になっていたために先に目を覚ましたハルヒによって理不尽以外の何物でもない鉄拳制裁が加えられたのはまた別の話だ。










































この騒動に対する執行責任者のコメント

「・・・・・・・・意気地なし」

ということで、ようやっと一万ヒットキリリクSS完結です。
ベタもベタ、落胆してしまう方もいらっしゃるんじゃないかと思うぐらい。ですが、これが私の発想力上の限界の模様、悪しからず。独自色のあるものを書いてみたいとは常々思っているのですが・・・・・・・・・


[一万ヒット特別リクエスト作品]
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